はじめまして アイラと申します。 私、車が大好きなんです。特に輸入車。父は国産車の営業マンでしたから、いつも「親不孝」と言われていました。 なんで外車が好きなのって聞かれると、答えにくいんですが、やっぱり「顔」ですかね。面食いなんです、昔っから。 中学生のある日、家にお金持ちの親戚の叔父さんがやって来ました。 叔父さんが乗っていた車は、ワイン色のベンツ。ワインレッドのボンネットの上にはひときわ光り輝くベンツの3Pointedマーク。中学生ながらにその気品あふれる姿に憧れた私は,夕飯後酔っ払った叔父さんに、こっそりあるお願いをしました。 |
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「明日の朝、叔父さんの車で学校まで送って欲しいんだけど・・・」 一夜明けて次の日の朝。沢山の生徒が振り向く中、私を乗せたベンツは颯爽と校門を潜り学校の玄関へ。叔父さんも張り切っちゃって、レイバンのサングラスなんかをかけて気取って運転してるもんだから、中学生はみんな唖然。 その日は言うまでもなく、クラスの英雄。運転していたのはお父さんだというウソはすぐにばれちゃったけど、あの快感はそれからずーと残っていました。 それからというもの「いい車に乗っている男と付き合うべし」「いい車の助手席は私の指定席」と、いつしか私の価値観は間違った方向に行ってしまったのです。 ところが、結婚をして子供が生まれると、「オンナは助手席よ」なんて悠長な事は言ってられなくなります。やれ病院だ、やれ検診だと、嫌でもハンドルを握らなくてはいけなくなるんです。当時、乗っていたのはプジョーの405。当然、左のマニュアル車。クラッチの繋ぎなんて久しくしていなかったので、ガクンガクン。赤ちゃんの首がおかしくなるんじゃないかと思えるほどの最悪なテクニック。駐車場では何度切り返しても上手く入らず、「おいおい、かっこつけて乗ってるんじゃねーよ」と言わんばかりの冷たい視線を方々から感じながら、冷や汗タラタラ。あせれば焦るほど、何度もエンストするありさま。 でも、いつもまとわり付いてくるチビちゃんは後部座席のチャイルドシートでスヤスヤおねんね。泣き声に邪魔されることもなく、好きな曲を聴きながら過ごせる、私だけの快適なプライベートタイム。寝室でもなく、台所でもない母になった私が唯一、一人の時間を楽しめる空間。それが車の中だと気づいたのはその時でした。 |
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To be continue・・・ |
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